SONY MDデッキ MDS-S39(\44,000)の感想


MDS-S39の写真  MDS-S39の内部写真  

 SONY MDS-S39の写真                     SONY MDS-S39の内部写真
 

 実は、、、SONY MDS-JA50ESやMDS-JA3ESのほかに、SONY MDS-S39というMDデッキも密かに持っていたりします。。。最近(1998年10月)買いました。購入理由はメインのMDS-JA50ESの負担軽減です。普段は、サブ機のCDラジカセに繋いでいます。

 では感想を箇条書きで、、、

 ・最初はポータブル型を買おうかと思ったのですが、再生専用は既に持っているし外で生録音もしないし、やっぱりデッキタイプは操作性が良いと思って安価なMDS-S39を買いました。MDS-S39と同社ポータブル型のMZ-R55では値段も同じでした。
 ・SONY製MDデッキに共通していますが、リモコンが素晴らしく、ネームも入れやすいくて良いです。ただし本体側は、狭い場所にボタンがあるので若干ツマミ類が押しにくいです。
 ・デッキタイプはポータブルタイプに比べて、録音時にいちいちエンドサーチしなくてよいから良いです。
 ・MDS-JA3ESに比べてメカデッキの反応が早く、あまりイライラしないです。(これはS39だけじゃないけど)
 ・デッキタイプにしては、ボディーが小さく軽い(2.8Kg)ので、修理に出すときとか持ち運ぶのが割と楽そうです(笑) MDデッキのピックアップレンズ&レーザー出力部は消耗品というくらいですから、修理に持って行きやすいのは良いです。また、巨大なポータブルタイプと割り切って、縦置きにして使っています。(笑) でも今のところ発熱や音質低下といった問題は別段ありません。
 ・デジタルRECレベルボリュームが付いていないので、音量レベルが小さいBSやCSチューナーとのデジタル接続には、あまり向かないと思います。
 ・FL管ディスプレイはMDS-JA50ESより明るく見やすいです。しかし、キーンという高周波の音を立てるのが耳障りです。

【音質について】
 音質は、心臓部はMDS-JA50ESと同じATRAC 4.5だけど、比べると、私が感じるに音のエネルギー/厚み/澄んだ感じ/艶がかなり足りないと思いました。少しシャリシャリしています。これは他の回路や部品の質の違いがモロに顕れていると思います。私はドンシャリ音は好きですが、耳につくシャリシャリは嫌いです。以前は、気にならなかったのですけど、MDS-JA50ESの音を聴くと耳質?が変わってしまいました。
 でも普通に聴く分には、じっくり聴かない限り、違いはたいして判らない程度です。ただしスピーカーの前に座ったり、密閉型ヘッドホンを使うと、かなり判ってしまいます。このMDS-S39は、〜しながら聴くBGM用にしたいと思います。やっぱり、じっくりとMDで音楽を楽しむときは、MDS-JA50ESですね。
 CDプレイヤーと比較すれば、定価2万円以下のものと同程度の音質です。ポータブルCDと同じくらいです(苦笑) しかも、CDにはないATRAC歪みによる生々しさの無さがありますので、実質ミニコンポ搭載のCDプレイヤー並の音質といえます。。。

 因みにMDS-S39をMDトランスポータとして使い、光デジタル接続でMDS-JA50ESをDAコンバーターとして使って聴いてみると、音質は劇的に改善され、SONYのMDデッキで言うなら旧MDS-JA3ES相当の音質にアップしたと感じました。光ケーブルをもっと良い物を使うとそれこそMDS-JA50ES相当になるかもしれませんが、なにしろMDS-S39は重量が軽く、メカデッキがちゃちそうなので、MDS-JA50ES相当には成るには無理があるでしょう。

 ※ 別売りのPC接続キットで、パソコンに接続して編集できるみたいだけど、キットを買って無く、試してないので感想は書けないです。

【録音性能について】
 「デジタル入力での録音」なら、上位機と殆ど変わりありませんでした。ATRAC4.5で大差ないです。SONYの場合、上位機と下位機の差は、再生時の音質の差だと思います。もちろんアナログ録音に関しては、物量を投入し、良い回路を搭載している上位機の方がよいですけどね。
 ということで、MDS-JA50ESをいたわる為にも、デジタル入力での録音用として働いて貰うことにします。ただし、デジタルRECボリュームが必要なときだけ、MDS-JA50ESで録音することにします。アナログ録音は、もちろんMDS-JA50ESです。MDS-JA50ESのADコンバータを使い、MDS-S39へデジタル接続して録音するという手もありますけど。

 こういう意味でも、今後発売されるであろう、ATRAC TYPE-RやASRAC(ARTIST-SYSTEM)搭載の廉価版MDデッキには興味があります。それらの高性能ATRACの廉価版MDデッキで録音して(MDの音質は録音時の圧縮で決まる)、再生音質の良いMDS-JA50ESやMDS-JA3ESで再生させるというのが音質的にベストでしょう。

 これを読んでいる高級MDデッキをお使いの方も、2台目を買うときはその辺を考えてみてはいかがでしょうか?
デジタル入力付き高級CDプレイヤーや、高級単品DAコンバーターをお持ちの方も、高性能ATRACを搭載した廉価版MDデッキはお奨めです。

  
  MDS-S39の内部回路の一部分


 【後日談 1999/11/25】
 上記で廉価版に興味と書いたのにも関わらず、1999/11/22に新たにSONY MDS-JA555ESというMDデッキの高級機を買ってしまいました。詳しくは、「MDS-JA555ESの使用感想のコーナー」を参照して欲しいですが、ATRACがTYPE-Rへと進化したお陰で音質が良くなりました。歪み感が軽減され、MDS-JA50ESで再生させても音質はなかなかのモノです。もちろん、MDS-S39で再生させても、割とリアルな音質です。
 別売りのPC接続キットPCLK-MD2も買いました。詳細はこれまたMDS-JA555ESの感想のコーナーを参照して下さい。このPC接続キットはMDS-S39でも使えますから、MDS-S39は編集用&ネーム入力予備機として頼もしい限りです。

 話は変わって、MDS-S39の後継機種としてMDS-S40というMDデッキの最下位機種が発売されました。MDS-S40はATRAC 4.5搭載とデジタルRECボリューム搭載なのは良いのですが、FL管ディスプレイとリモコンの大幅な簡略化と、なによりアナログRECボリュームツマミが無くなったことが最大の欠点です。いちいちリモコンかセットアップメニューで調節しなければなりません。
 よってMDマニアな私としては、MDS-S39を買って良かったです。私はMDS-S40は価格こそ安いもののオススメしません。本体そのままでは使い勝手が悪くなり、快適に使うには事実上PC接続キットの購入とパソコンの購入が必要だからです。

 【後日談2】2000/3/22
 MDS-S39ですが、最近はもっぱらST-SA50ESのAMラジオやビデオデッキからの録音に酷使しまくり、故障こそしてないもののTOCエラーを心配して修理に出しピックアップの交換をしてもらいました。
 これも100枚以上録音しましたが、SONYの修理屋さんの話では、レーザーパワーもたいして落ちてなくてレンズを磨けばまだ使えたそうです。そしてMDS-S39のピックアップおよびメカ部は、MDS-JA22ES/JA555ESの次に準ずる良いメカらしいです。耐久性もかなり向上したとのことでした。交換されたピックアップはKMS-260Aというもので、MDS-JA3ESやMDS-JA50ESのKMS-210Aより新しいと思われる型番で、しかもスチールか亜鉛かでガッチリ固められたピックアップで、なかなか良さそうです。だからデジタル録音に関しては、MDS-JA50ESとほぼ同じの品質だったのかもしれません。納得です。

 MDS-S39のメカは恐らくですが、その外観から現行機種の全てに搭載されていることと思います。よってMDS-S40やMDS-JE330などの低機能機はともかく、ATRAC TYPE-R搭載で多機能なMDS-JE630は他社のシャープ製メカ採用のものよりなかなかお買い得なのではと感じました。
 


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