SONY MDデッキ MDS-JA3ESの使用感想


MDS-JA3ESの写真  MDS-JA3ESの内部写真

 SONY MDS-JA3ESの写真(上のデッキ)             SONY MDS-JA3ESの内部写真
 

【説明】
 MDS-JA3ESは、MDデッキとしては初の高音質ESモデルです。1995年6月頃に発売されました。当時最新のブロックフローティング搭載のATRAC Ver3.5(CXD2536AR)や20bitワイドビットストリーム、20bit精度のサンプリングレートコンバーターなどが搭載されていました。DAコンバーターには、1999年現在もSONYのDATデッキなどでも使われているアドバンスドパルスDAコンバーターが搭載され、CDプレイヤーにも搭載されているフルフィードフォワード式デジタルフィルターも搭載されています。ADコンバーターには18bitΔΣ ADコンバーターが搭載されて、アナログボリュームはL/R独立(別々にあるわけではない)です。その他にもESモデルならではの、FBシャーシRコアトランスなど高音質なパーツが使われています。

【買った理由】
 当時MDという便利なディスクメディアに興味があったことと、衛星放送のSt.GIGAをデジタルで高音質で録りたいということからMDS-JA3ESを買いました。1996年3月のことです。MDS-JA3ESには20bit精度の高音質そうなサンプリングレートコンバーターが搭載されているので、32KHzのSt.GIGAの放送をデジタルで録音するのにはこれしかありませんでした。下位機種に同じくサンプリングレートコンバーター搭載のMDS-503というのがありましたが、18bit精度なのとデザインが悪い(笑)ので、買いませんでした。MDS-JA3ESの金ピカボディーには惚れ込んでしまいました。

【音質について】
 音質は、それまでSt.GIGAはHi-Fiビデオ、CDはCDラジカセのカセットテープに録音していた私にとって、別次元の高音質に感じました。CDに比べると多少デジタル臭さがある音でしたが、ノイズのないクリアーな音で、ピュアオーディオのすばらしさに感激した物です。因みにこの頃は、まだアンプやスピーカーを持っていなくて、CDラジカセのスピーカーやMDS-JA3ESからのヘッドホンで聴いていました。ヘッドホンは密閉型のものでしたから、今までのCDラジカセとの音質の違いはハッキリと判ります。

 現在のMDS-JA50ESやMDS-JA33ESなどに比べると、私が感じるには、低音の厚み/解像度/艶/色気などが足りませんが、それでもパッと聴き定価4〜5万円くらいのCDプレイヤー並の音質はあります。ただし、よく聴くとCDとは違って、ATRACでの圧縮歪みのせいか、デジタル臭さや生々しさの欠如があります。それでも現在の下位機種であるMDS-S39やMDS-JE520などにくらべたらまだ高音質だと思います。

 いくらデジタル臭さがあって音質が良くなくても、1996年3月からMDS-JA50ESを買った1997年3月までの一年に録りためた音楽は貴重です。当時できるだけ良いMDデッキを買って良かったと思っています。MDデッキもパソコンと同じで欲しいときが買いだと思います。

【故障について】
 私のMDS-JA3ESは、約1年ごとに故障が発生します。故障個所は決まってピックアップレンズ&レーザー出力部です。どうも録音を沢山していたのが故障の原因のようです。光磁気ドライブは、録音または書き込みの時にレーザー出力が大きくなり、レンズやレーザー出力部に負担がかかります。
 しかし、たった一年くらいで壊れるのは困りものです。録音したディスクも、多いと書いたもののたった30枚くらいなのですから。MDS-JA3ESの世代のSONYのMDデッキに搭載されているメカデッキは、かなりチャチだと聞きます。他にもMDS-503/303などでも同じように故障しやすいそうです。
 その点、1997年3月に買ったMDS-JA50ESは高価なだけあって、もう2年経ちますが故障なしです。もう録音したディスクは100枚は超えましたがノートラブルです。もしかしたら、個体差か運かもしれませんが。。。
 

  
  MDS-JA3ESの回路の一部分
 


 【後日談】1999/05/17

 現在、録音しすぎの故障の教訓から、再生専用として使っています。再生だけなら、録音時と違ってレーザーの出力を上げずに済みますが寿命にも良いです。
 音質ですが、MDS-JA3ESはATRAC 3.5ですが、ATRAC4.5のMDS-JA50ESやMDS-S39で録音されたディスクを再生させると、MDS-JA3ESでもATRAC 4.5相当の音質で再生できるようです。つまりATRACはエンコード時(録音時)にそのATRACバージョンの音質が決定され、再生するときはATRACバージョンに関わらず、録音された時のATRACバージョンの音で再生されるようです。再生はディスクの記録をただそのまま読みとり、そのままデコードして再生するだけですから。
 というこで、MDS-JA50ESやMDS-S39で録音したディスクなら、MDS-JA3ESで再生させると多少音質がアップするみたいです。私の鈍い耳ではわかりにくいですが、そういえばデジタル臭さが減ったような気がしています。

 【後日談3】2000/4/17
 実は、MDS-JA3ESが再生専用として使っていて録音は6〜7枚分しかしていなかったのに、録音不良となる故障に遭いました。再生なら問題なかったのですが・・。しかしSONYの修理屋さんに以下のアドバイスを受け、無事に直り録音できるようになりました。
 SONYの修理屋さんの話では、あまり使わないのも駄目だし、露付き対策や湿気対策のほか、長い間使わないとスイッチやツマミやボタンやメカ内部にもガリ(接点の劣化)が発生し、ガリ対策もしなければならないようです。ということで、電源を入れっぱなしにしたり、メカ部のディスク認識や録音防止ツメ用の小さい小さいプッシュスイッチを爪楊枝で何回も押したり、ディスクの出し入れを何回も繰り返すことにより、見事普通に録音できるようになりました。ピックアップが壊れていないと判ったので、録音なら過去の経験からあと23枚分(笑)、再生ならCDプレイヤー並に使えそうです。もはやMDS-JA555ESやMDS-JA50ESやMDS-S39で録音するので、再生専用として使ってゆくつもりです。
 それにしても、SONY製品はデリケートで困りものです(苦笑) またいずれ、上記の対策をしなければならないときが来るでしょう・・。しかし、的を射たアドバイスをくれたSONYの修理屋さんには感謝です。
 


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